こんにちは。終活アドバイザーのいぶきです。
ここ最近、「家族葬」や「一日葬」などの言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
今から約20年前ぐらいからできた言葉ではありますが、高齢化やコロナの影響もあり、これらを選ぶ人が増えてきています。
そこで「一般葬」と呼ばれる、いわゆる親戚をはじめ、近所や会社の人たちが集まるようなよくある葬式との違いや、それぞれのメリットや注意点などについて解説をしていきます。
人の葬式をどうやるのか決めるのって大変だもんね。
そう。だからこそ、自分の葬式の方法くらいは自分で選んでおいて欲しい。
また、終活ドリル内の「7-1.自分の葬式の希望を書こう」でどんな葬式にして欲しいかを書けるようにしているので、終活を進めている人はこちらも活用してくださいね。
そもそも「葬式」とはなにか
葬式の語源は「葬儀」と「告別式」の文字を取ってできた言葉です。
葬儀:死者をあの世へ送り出す儀式のこと。
告別式:故人に対して最後のお別れをする式のこと。
この2つをまとめて「葬式」としており、厳密には別の儀式を2つやっていることになります。
基本的な流れとしては「通夜」→「葬儀・告別式」→「火葬」の順番で行われます。
「葬式」と「葬儀」とごっちゃになるけど
「葬式」の中に「葬儀」が入っている入れ子の関係です。
通夜とは
本来、家族や親族などの親しい間柄にあった人たちが、夜を通して遺体に寄り添い故人に別れを告げることでした。
しかし今では夕方の1~2時間程度で行われることも多く、仕事の都合で告別式に行けない人が代わりに通夜だけ参列することが多くなりました。(半通夜とも呼ばれます。)
告別式とは
故人に対してお別れをするための式で、僧侶がお経をあげながら、参列者がお焼香をすることが一般的です。また、参列者全員で棺にお花を入れてお別れをすることもあります。
葬式の種類と費用について
はじめに、葬式にかかる費用としては次のことが挙げられます。
- ①葬儀費用(葬儀社に払うもの):祭壇一式、棺、運営費 など
- ②葬儀費用(葬儀社以外に払うもの):火葬料、車両代、式場代、心付け など
- ③参列者への費用:返礼品、通夜や初七日の飲食費 など
- ④宗教の費用:お布施 など
「心付け」とは 葬儀に携わるスタッフへの感謝の気持ちとして渡すチップのようなもの(¥3,000~10,000くらい)。
④について仏教の場合は「お布施」、神式は「お祭祀料」、キリスト教の場合は「献金」とも言います。
この①~④の総額が「お葬式にかかる費用」になります。
エンバーミングとは遺体に殺菌・防腐処理を施したり、顔や体の損傷を修復すること。
これにより
- 療養生活でやつれた顔や、事故で損傷した顔・身体を元気なころの姿に再現する
- 感染症で亡くなった場合でも二次感染の心配がなく遺体に触れられる
などのことができます。
相場は15万円から25万円くらい。IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)が定めた基本料金のため、業者によって差は小さいです。
また、エンバーミングできる施設は、2024年時点では、32都道府県に91か所しかないため、希望する場合は事前に調べておきましょう。→エンバーミング施設一覧
次に葬式の方法別に特徴やかかる費用について解説していきます。
一般葬
日本の伝統的で標準的な葬儀の形式で、家族や親族、友人知人、職場の同僚や近隣住民など故人と生前に関わりのあった人々を幅広く招いて行う葬儀。1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式を行うのが一般的です。
一般葬を選ぶメリット
- 故人や遺族が地域社会とのつながりを重視している
- 多くの人々と共に故人を偲びたい
- 伝統的な儀礼や習慣を大切にしたい
- 故人の社会的な立場や人間関係が広範囲にわたる
一般葬の費用
平均としては約100万円。内訳としては、以下の通りです。
①葬儀費用 (葬儀社に払うもの) | ②葬儀費用 (葬儀社以外に払うもの) | ③参列者への費用 | ④宗教の費用 |
---|---|---|---|
祭壇費用 白木祭壇…20~30万円 生花祭壇…20~80万円 | 遺体安置費用 搬送費…1~2万円 安置費…1~3万円/日 | 会葬礼状費用 120円/人 | お布施代 20~30万円 |
お棺費用 3~30万円 | 式場使用料 民営の施設…10~30万円 公営の施設…2~5万円 | 会葬礼品費用 500~1,500円/人 | 戒名料 20万円 |
車両費用 霊柩車…1~2万円 寝台車…1~2万円 マイクロバス(参列者送迎)…4~10万円 人件費 | 火葬料 民営の火葬場…3~20万円 公営の火葬場…0~6万円 | 飲食接待費用 通夜料理・初七日料理…2,000~5,000円/人 | お車代 1万円 |
スタッフ1人あたり…2~3万円 | お膳料 1万円 |
一つの葬式にここまでいろんな費用が掛かるんだね。
そうだね。特に葬儀費用は
・公営か民営で料金が倍以上違ったり、
・同じ葬儀会社でもグレードが何段階もあったり
とピンキリなものが多い。
ちなみ祭壇には白木祭壇と生花祭壇の2種類があります。
家族葬
家族葬は、家族や近親者のみで行う小規模な葬儀形式。一般的な葬儀と比べて小規模でできるため、近年増えてきた葬儀形式です。
2024年にはコロナも影響もあり、一般葬よりも多く利用されています。
家族葬を選ぶメリット
- 参列人数が確定しているため、予算の変動が少なくて済む
- 日程設定が自由
- 弔問客への配慮が少なく、故人との静かなお別れが可能
家族葬の費用
平均としては50万円〜110万円くらい。
あれ?一般葬とあまり変わらなくない?
そう!実は一般葬とあまり変わらないんだよね。
家族葬の場合、参加人数が少ない(事前に人数がわかる)ので、
会場費や「③参列者への費用」を抑えることができる一方、
参加者が少ないということは、その分「お香典」が少なくなるため結果として負担額はあまり変わりません。
ただ、家族葬の場合、会場を借りずに自宅で執り行うことも可能なため、自宅葬を行う場合の費用相場は、40万円〜60万円ほどになります。
加えて、会葬者(葬式に参加する人達)と接する時間も短縮されることで喪主の負担が大きく減るため、落ち着いて最期のお別れをすることができます。
一日葬
一日葬は、通夜を省略して葬儀のすべての過程を1日で執り行う新しい形式の葬式です。一般的には参列者も家族や近親者などいわゆる「家族葬の短縮バージョン」みたいな感じです。
※参列者を限定せず、一般の方も参加することもできます(葬儀会社にもよる)。
一日葬を選ぶメリット
- 通夜の会場費や接待費が不要
- 遠方からの参列者も日帰りで参加可能
- 家族葬のような参列者制限がないため、より多くの人と故人を偲ぶことができる。
一日葬の費用
平均としては30万円〜80万円くらい。こちらも費用が掛かる項目は一般葬や家族葬と大差ありませんが、金額は比較的抑えることができます。
少し安くなったね。
単純に時間が半分になるから、その分の会場費や、人件費が少なくなる仕組みだね。
会場費は1日葬(告別式のみ)の場合、2~5万円程は相場と言われています。
直葬
直葬とは、通夜や告別式などの儀式を一切行わず、自宅や病院から直接火葬場へ搬送し、火葬によって弔う葬式のことです。密葬や火葬式とも呼ばれます。参列者は家族や親戚など身内のみに限定される。
直葬を選ぶメリット
- 費用が抑えられる(会場費、装飾費、飲食費などが不要)
- 時間的・体力的負担が少ない
- 葬儀場の空室待ちが不要で、故人の安置時間が短くなる
直葬の費用
平均として約20万円〜40万円程度です。
やっぱり費用はダントツで抑えれるね。
そうだね、ただ直葬はまだ一般的とは言えないので、親族の同意を得た上でやらないとトラブルにつながるかもしれないから注意しよう。
「10万で直葬できます!」と謳った商品などもありますが、あとからオプション料金など取られる場合があるので「どこからどこまでの費用」なのかを理解したうえで検討しましょう。
住宅でも「この家は2千万で購入できますよ」とか言っておいて、キッチンもなければ水道も通ってないパターンはよくある話です。(気づいたら金額は倍になっていることも。。)
終活として葬式についてやっておきたいこと
終活という観点から、今やってほしいことは
「自分の葬儀方法を決める」ことと、「どれくらいの費用がかかるのかを知る」こと。
先ほどの葬儀の種類のメリットと自分自身の価値観を照らし合わせて決めましょう。
また、実際に費用面についても把握する必要がるため、葬儀会社の見積もりをあらかじめ取っておくといいでしょう。
おそらく「ここの葬儀会社に決めてる!」のような方は少ないと思うので、
価格.comhttps://kakaku.com/sougi/から葬儀の種類と場所と選択して資料請求を行うことができます。
各葬儀会社の金額一覧が出るので相場を知るのにも役立ちます!
ここまで出来たら、あとはどうしてほしいのかの希望をエンディングノートや終活ドリル内の「7-1.自分の葬式の希望を書こう」に書いておけば、遺族も困ることなく葬式のプランを立てることができます。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました!
葬式の種類による全体の流れは以下の通り。
〇一般・家族葬:納棺→通夜式→葬儀→出棺→火葬
〇1日葬 :納棺→ →葬儀→出棺→火葬
〇直葬 :納棺→ → →出棺→火葬
金額についてはやることが少なくなるほど安くなるが、会場費や火葬代など場所やプランによって大きく変わります。
そのうえで自分の希望を書いて残しておければ葬式についての心配ごとは大きく減らせます。
ほかにも終活における様々情報を発信していくので、ぜひチェックしてみてください。